2022年1月14日

技能実習生が受験する「技能検定」とは?制度内容と申込方法・流れを解説!


技能実習生が受験する「技能検定」とは?制度内容と申込方法・流れを解説!

技能実習生の受入後、企業が次に準備をしないといけないものは「技能検定」です。
技能検定の受験は次の技能実習期間更新に係る大事なイベントです。

本記事では、技能実習期間更新に必要な技能検定の制度や申し込み方法などをご紹介していきます。

技能実習の更新条件

実習実施者(企業)が技能実習生を受け入れて間もなく、次に準備をしないといけないものが「技能検定」です。

技能実習の在留期間は、技能実習1号が1年、技能実習2号と3号が2年間となっており、技能実習1号を修了する前に、技能実習2号へ更新するための申請が必要です。

しかし、技能実習の在留期間を更新するためには、技能実習目標の「技能検定合格」を達成することが条件となっています。

技能実習の目標

  • 技能実習1号 ➡ 技能検定(基礎級)の合格
  • 技能検定2号 ➡ 技能検定(3級)の合格
  • 技能検定3号 ➡ 技能検定(2級)の合格


もし、技能実習1号の技能実習生が基礎級に合格できなかった場合には、強制帰国になってしまいます。
技能実習生が長期就労ができるよう、実習実施者(企業)は技能検定の制度を理解し、試験受験の準備・指導を行う必要があります。

それでは、技能検定とはどんな試験なのか、技能検定について紹介していきます。

技能検定とは

技能検定とは 働くうえで身に着けるまたは必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定です。都道府県職業能力開発協会と民間試験機関が試験の運営・実施を担っています。

受験者数は年間約70万人です。
技能実習生は技能実習更新のために受験をしますが、日本人にとっても馴染みのある試験です。

技能検定の等級

技能実習生向けの技能検定は、 基礎級、3級、2級 の3つの階級があります。

技能検定の等級区分

  • 基礎級
    基本的な業務を遂行するために必要な基礎的な技能及びこれに関する知識の程度
  • 3級
    初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度
  • 2級
    中級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度

技能検定の試験内容

技能検定には実技試験と筆記試験があります。
技能実習2号へ更新するには、基礎級の実技試験・筆記試験両方の合格が必要です。
技能実習3号へ更新するには、3級の実技試験の合格が必要で、筆記試験は任意になります。

試験の問題は原則日本語表記です。
基礎級はひらがなのみ、3級・2級では問題文の漢字にフリガナがあります。
その他日本語を母国語としない受験者への特別な配慮はございません。

学科試験は100点中65点以上で合格となります。

>>学科
・基礎級:二者択一式 20問(60分以内)
・3級:二者択一式 30問(60分以内)
・2級:二者択一式 50問(100分以内)

実技試験は100点中60点以上以上で合格となります。

>>実技試験
・基礎級:原則1時間以内
・3級:2~3時間程度
・2級:3~6時間程度

技能検定の過去問は、中央職業能力開発協会のサイトにて公開されています。実習実施者(企業)は事前に技能検定の問題に慣れさせておく必要があります。

また、実技試験で使用できる工具、器具、材料等が限定されている場合があります。早い段階で技能実習生がそれらの工具等を使って支障なく作業ができるように指導・養成も必要です。

技能検定の実施状況

等級 受験者申請者数 合格者数 合格率
基礎級 75.490人 67.737人 89.7%
3級 66.669人 16.424人 24.6%
2級 8.599人 217人 2.5%

出典:厚生労働省「令和2年度「技能検定」実施状況」

年間15万人の技能実習生が技能検定を受験しています。
合格率は、基礎級が約90%、3級が約25%、2級が2.5%となっております。
特に2級の合格率はとても低く、日本人が受験しても合格は難しいと言われています。

技能検定の申込の流れ

(例)技能検定の申込の流れ

技能検定の申込や当日の引率は監理団体が行い、技能実習生への指導・養成は実習実施者(企業)が行います。

技能検定申し込みの流れ

  • 監理団体が外国人技能実習機構サイトから技能検定の申込を行う。
  • 試験実施機関が監理団体へ技能検定の申請書や実技試験の問題、受験票などの必要書類を送付する。
  • 監理団体は実技試験の問題や試験要領を実習実施者(企業)へ共有し、実習実施者(企業)はこれらの資料をもとに、技能実習生に指導・養成を行う。
  • 監理団体は受験票や申請書に必要情報を記入する。申請書は試験実施機関へ返送する。
  • 試験実施機関は監理団体へ受験会場や受験日などの詳細を連絡する。
  • 当日、監理団体が技能実習生の引率を行います。受験票は試験実施担当者へ提出します。
  • 試験終了後、約1週間程度で試験実施機関から監理団体へ合否連絡があります。
    ※外国人技能実習機構の受検支援サイトにて合否結果も可能です。
  • 試験実施機関は監理団体へ合格通知書を送付します。

※申込の流れは試験実施機関によって多少の違いがあります。

万が一試験が不合格となった場合、1回のみ再試験が可能です。その際には、改めて再試験の調整が必要です。

技能検定申し込み先はこちら↓↓

試験実施機関一覧はこちら↓↓

技能検定受験スケジュール



技能実習の在留資格更新には、技能検定の合格証明書の提出が必要です。
そのため、技能実習2号へ更新する際には、技能実習1号が修了する6か月前までに技能検定基礎級の申込を、技能実習3号へ更新する際には、技能実習2が修了する12か月前までに技能検定3級を申し込みするようにしましょう。

また、試験実施機関が技能検定受験日を決めるため、受験日の指定はできません。そのため、余裕をもって技能検定の申込をするようにしましょう。

出典:厚生労働省「技能実習生の「技能検定」に関する注意点」

まとめ

技能実習の在留期間更新に必要な「技能検定」。
技能検定基礎級の合格率は90%と高いものの、10人に1人は合格できず、母国へ帰国しているのが現状です。

技能実習の本来の目的である「日本の技能移転」を果たすためにも、実習実施者(企業)は技能実習生へ十分な指導・養成を行い、技能検定合格を目指していきましょう。

>>技能実習の制度を詳しく知りたい方はこちら↓↓

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